2017年03月24日

《遠吠え》カゴイケ証人喚問に、木っ端役人の繰り出す投げ縄に抗い堂々渡り合う石川五右衛門の姿を見た!=田悟恒雄

 いやー、実に堂々たる風格でした。与党議員の質問風景から、私ゃ、「木っ端役人に囲まれた石川五右衛門」の姿を思い浮かべてしまいました。
 ホントはスネに傷ある与党議員連中が、「何とか偽証罪に引っ掛けてやろう」「証言の信用性を貶めてやろう」と、何本もの投げ縄を蜘蛛の糸のように繰り出す中、堂々と渡り合うカゴイケ証人…。
 そんな証人の繰り出す証言は、なかなかのものでした─。
 「事実は小説より奇なり」には、思わず吹き出してしまいましたが、「議員の言っていることは的外れ」は、毎度おなじみ菅官房長官の常套句「それは当たらない」のしらじらしさに比べれば、胸の空くほど共感できるものでしたし、「たたみかけるようで非常に失礼だ」は、証人席に立つカゴイケセンセの「並々ならぬ決意と覚悟」を知るに余りあるものでした。
 なかでも、「一私人付きの政府職員(!?)」谷査恵子氏がカゴイケセンセの依頼を受けて、財務省に照会したことを明瞭に示すファクスの出現は、「一私人」アベ昭恵氏のこのスキャンダルへの関与を疑わせるに十分なものがありました。
 で、「虚偽陳述をすれば偽証罪に問われる」証人席で「一民間人」が、重大なリスクを負いながらあれだけの証言をしているというのに、「一私人」ファーストレディ氏の方は、「昭恵夫人は中身には全く関与していない」などと官房長官に言わせているというのは、どう考えてもおかしい。
これはもう、アベ昭恵氏始め、事件への関与を疑われる政治家や官僚たちの証人喚問が欠かせない、ということです。

(「零細出版人の遠吠え」03/24より。 http://www.liberta-s.com/
posted by ロバの耳 at 10:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠吠え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月19日

≪おすすめ本≫ 山下幸夫編『共謀罪なんていらない!? これってホントに「テロ対策」?』─安倍政権の嘘と偽りの手口を暴露、現代版<治安維持法>そのもの=丸山重威(元関東学院大学教授)

「一般の人が対象になることはない」「法案を整備しなければ東京オリンピックをできないと言っても過言ではない」というのは安倍首相、「法案が提出されてから議論してほしい」というのは金田勝年法相。ともにテロ対策を名目に共謀罪を入れようという「組織犯罪処罰法改正案」についての国会答弁だ。
 共謀罪は過去に3回廃案になった。それを政府は今度、「五輪」と「テロ」を口実に、名前を変えて出すというのだ。

 本書では、ジャーナリストの斎藤貴男、前衆院議員の保坂展人・世田谷区長、刑法学者の足立昌勝・関東学院大名誉教授、日弁連の海渡雄一・元事務総長、山下幸夫・共謀罪法案対策本部事務局長の5人が様々な角度から批判している。
 斎藤氏はこの法案が特定秘密保護法や戦争法や盗聴を拡大した刑事法の改正などと関連して「戦争できる国造り」に向かう安倍内閣の思想から出ていることを指摘。足立教授は、刑法は何らかの罪を犯したものを罰するもので、心の中で何を考えていても罰することはできないのが「近代刑法の基本」だと強調した。
 保坂氏は自らの国会審議を引いて「目くばせも意思の伝達」との政府答弁や「平成の治安維持法を作った総理と言われたくない」と強行採決を見送った小泉元総理のエピソードも紹介した。
 また「五輪」を使った宣伝もウソで、条約批准にも必要がないことを海渡弁護士が解説。山下弁護士も「現代の治安維持法の危険」を書く。

 共謀罪は、勿論いらないし、どんな名前でも心を縛る法案を作らせてはならない。共謀罪の狙いと法案の理解に、言論人はもちろん、広く国民みんなに読んでほしい。

(合同出版1400円)
posted by ロバの耳 at 19:46| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめBOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月17日

《遠吠え》「小學院」の庭から次々出てくる怪しげなゴミは「底なしの一大スキャンダル」になる予兆か?=田悟恒雄

 15日に日本外国特派員協会で予定されていた森友学園・籠池泰典理事長の記者会見が急遽、「延期」されました。その理由は明かされていませんが、「その筋からの何らかの圧力」があったであろうことは、容易に推察されます。
 それにしてもこのスキャンダル、「小學院」の庭を掘れば掘るほど、連日のように「怪しげなゴミ」がザックザク出てくるのは驚きです。そして、この日のサプライズ─。

 「〔国有地売却問題が発覚・報道されてから〕籠池氏の弁護士が財務省の佐川宣寿理財局長から『10日間でいいから身を隠してくれ』と連絡を受けた」(!)

 カゴイケさんがそう言っている、とノンフィクション作家・菅野完さんが記者会見で明かしました。さらに、この弁護士がその事実を否定したきり辞任してしまったというのも、イマイチひっかかるところ。
 「佐川理財局長」といえば、このところ頻繁に国会委員会席に立ち、木で鼻を括ったような答弁を乱発しているお役人。しばしば「逆ギレ」するかの不誠実な答弁姿勢は、かえって「首相の覚えがめでたい」と言われます。
 問題はさっそく15日の国会質問でも採り上げられましたが、そこは厚顔無恥な財務官僚、「隠れてくれなどと言った事実はない」と言下に否定はしたものの、実は内心「カゴイケセンセの捨て身の逆襲」に戦々恐々としていることでしょう。
 サプライズは止まることを知りません─。翌16日には、カゴイケさんの自宅から出てきた4人の野党議員(そこには「天敵」共産党のコイケ書記局長の顔も)とともに、カゴイケセンセがインタビューを受ける光景をテレビニュースで見せられます。
 先だって「あんな学校つくらせちゃいけない。野党には頑張ってもらいたい」と、逆の立場からの「仰天発言」をされたコーノイケセンセなぞ、どこかへ吹っ飛んでしまったかのようです。
 そしてついに、政権が最も怖れていた「カゴイケセンセの捨て身の逆襲」が炸裂、「疑惑」は一気に首相の首のあたりにまで迫ります─。

 「平成27年(2015年)の9月に安倍昭恵夫人が私どものところに講演会に来られた時、どうぞ、これお使いくださいと。どなたからですかと(聞くと)、安倍晋三からです、とおっしゃった。…領収書はどうしましょうかって(聞くと)、それはもう結構でございますということで…」

 学校を現地視察した参院予算委員会メンバーに対し、カゴイケセンセは、そうぶちまけます。
 そうなるともう、「民間人だから」などという逃げ口上は使っていられません。「これは放っておけない」ということで、「参考人招請」どころか急転直下、「証人喚問s」が実現することになったというわけ。
 それもこれも、この事件が「イナダ防衛相問題」と密接にリンクして、「底なしの一大スキャンダル」に発展する可能性を示唆しているのかもしれません。

(「零細出版人の遠吠え」03/16-17より。 http://www.liberta-s.com/
posted by ロバの耳 at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠吠え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月14日

≪おすすめ本≫ 北 健一『電通事件 なぜ死ぬまで働かなければならないのか』─残業を隠す「私事在館」が招いた悲劇の真相=上西充子(法政大学教授)

 2000年の最高裁「電通事件」判決は、過労自死に対する使用者の損害賠償責任を初めて認めた画期的な判決である。
 その電通で、入社間もない若手社員の過労自死が再び起きた。本書によれば自死に至った高橋まつりさんは、この25年前の過労自死に関する記事を母親に示し、「こうなりそう」と打ち明けたという。

 なぜ同じ悲劇が繰り返されるのか。その問いに対し、電通が抱える問題に焦点を当てながらも、広く日本の企業社会が抱える問題へと読者をいざなうのが、本書である。
 労災認定後に明らかになったのは、表向きの法令順守のために残業時間の過少申告が現場で強いられていた実態である。三六協定の上限時間を超える残業をなくすために、超過時間は表向きには「私事在館」と位置付けられた。

 法人としての電通と幹部が書類送検された12月28日に電通が開いた記者会見の様子も本書には収録されている。三六協定の上限時間を超えた者を「協定を違反して仕事した人」と表現し、労基署が業務と認定した時間についても「私事在館」の表現を使い続けた様子が記録されることは、重要だ。

 いま国会では三六協定の上限労働時間法定が議論される一方で、労基法の労働時間規制の適用対象外である高度プロフェッショナル制度の新設と、残業代負担の打ち止めを可能とする裁量労働制の拡大を狙う労基法改正案の成立が狙われている。法案が成立すれば、形だけの法令順守へと各企業が流れることが危惧される。
 「働き方改革」の内実に目を向けよと、本書は警告する。

(旬報社1000円)
posted by ロバの耳 at 10:41| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめBOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月13日

≪出版界の動き≫2月~3月─電子版コミック誌の売り上げが前年比155%、著しい伸びを示す!

●2017年1月の書籍雑誌・推定販売金額963億円(前年比7.3%減)。書籍508億円(同6.0%減)、雑誌455億円(同8.7%減)。返品率:書籍36.4%、雑誌45.3%。昨年末の特別発売日の試みが、功を奏しなかったことを意味する。

●日販が「輸配送問題」に取り組む輸配送改革推進室を新設。雑誌の流通・販売量が減少しても継続できる物流センターのあるべき姿をプランニング。王子流通センターには書籍送品物流再構築PTと開発品物流構築PTを置く。

●トーハンのグループ会社、あおい書店19店舗をブックファーストなどに事業移管する。店舗エリアを見直し組織再編する。

●2016年のコミック市場全体の推定販売金額は4454億円(前年比0.4%増)。紙版コミック本1947億円(同7.4%減)、紙版コミック雑誌1016億円(同12.9%減)、電子版コミック本が1460億円(同27.1%増)、電子版コミック雑誌31億円(同55.0%増)。電子版の伸びが著しい。

●2016年の総広告費6兆2880億、5年連続増。マスコミ4媒体広告費2兆8596億円(前年比0.4%減)、インターネット広告費1兆3100億円(同13.0%増)、プロモーションメディア広告費2兆1184億円(同1.1%減)。なお新聞5431億円(同4.4%減)、雑誌2223億円(同9.0%減)、ラジオ1285億円(同2.5%増)、テレビメディア1兆9657億円(同1.7%増)。
posted by ロバの耳 at 09:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版界の動き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月11日

≪メディア随想≫ 福島原発処理費21兆を捻出するカラクリ

 満6年になる<3・11フクシマ>─いまも流出する放射能汚染水は1日200トン。トリチウムを含む高濃度汚染水に、除染処理中の汚染水まで加えると、なんと100万トンが福島原発構内のタンクに貯蔵されている。

 山野の木を切り倒し、地面を「フェーシング」舗装した敷地に、1000基のタンクが林立する。周辺は場所によって放射線量が大きく変わる。炉心溶融した原子炉建屋の近くでは、毎時300マイクロシーベルトを超える。20キロ離れたJヴィレッジ建屋内は毎時0.07マイクロシーベルト。

 ところがイチエフから北西24キロにある浪江町赤宇木は、被災地の中でも放射線量が高い。現在も「帰還困難区域」に指定されている。3日の放射線量測定値は、毎時3.335マイクロシーベルトを示し、他の「南相馬0.08、いわき0.07」と比較しても、格段に高い。

 廃炉や賠償の道筋も見えない。経産省が算定した福島原発処理費11兆円が、3年もたたずに21兆5千億円に膨らむ。しかも、今回の算定には炉内にある廃棄物(燃料デブリ)の処分費は含まれていない。かつ21兆円のうち2兆4千億円を、送電網を利用する際に徴収する託送料金から捻出するという。原発を持たない新電力にも適用される。

 すなわち国民の電気代に上乗せして徴収するというのだ。国会での法律改正も必要とせず経産省の省令で実施できる。まさに東京電力の賠償責任を不問にし、消費者に負担を強いるのは大問題だ。6年たっても…いや、いつまでたっても駄目な政府ね。

【今週の風考計】3.5より
posted by ロバの耳 at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | メディア随想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月09日

《焦点》 上智大でジャーナリズムを研究する元北海道新聞記者の上出義樹さん(新聞学博士)=橋詰雅博 

 メディアによる安倍政権への批判が影を潜めている。その原因の一つとして「自己規制」が挙がっている。報道の自己規制をテーマに上智大大学院で研究し、血液のがんである悪性リンパ腫と闘いながら昨年3月新聞学博士号を取得したのが上出義樹さん(71)だ。
 上出さんは元北海道新聞記者で、退社後の2010年4月に上智大大学院に入学。ジャーナリズムの研究をしながら、フリー記者として閣僚や官庁の記者会見に出席し、記事やメディア批評を書いてきた。報道の現場を知っている研究者というのが強み。これを生かし、原発報道や安倍政権報道などについて新聞や放送各社の記者らに聞き取り調査を実施。約300人の調査に基づき、報道の自己規制とは、@取材対象者との癒着・もたれ合いA取材対象者などからの圧力B取材対象への共感・同情C所属する報道機関の編集方針や上下関係など組織内のあつれき―など6つに分類される分析した。組織内のあつれきではこんなエピソードを明かした。
 「親しくなった総務省担当の記者から『大臣や官僚に取材しにくくなるような質問をするなと上司から言われている』『自分が下手な質問して当局と気まずい関係になると会社や後任者に迷惑がかかる』と打ち明けられた。大臣が嫌がる質問は避け総務省とは良好な関係を保っておきたいのでしょう。日本のメディアの負の構造が読み取れる」
 昨年8月に「報道の自己規制」(リベルタ出版)を出版。現在、上智大メディア・ジャーナリズム研究所スタッフとして研究を続けている。

posted by ロバの耳 at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ/お願い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月08日

《遠吠え》つくづく「オトモダチ」っていうのはありがたいもんだ、と思わせてくれる実に「麗しいお話」=田悟恒雄

 校庭に埋まっていたゴミとともに、次から次へと不可解な事実が掘りだされる「森友学園スキャンダル」…。
そのゴミの間に間に、怪しげな政治家たちのシルエットが見え隠れします。しかもそこには、今を時めく宰相やファーストレディの名も、しばしば出てくるのです。
 なーんて書きだすと、「印象操作だっ!」と、やたらムキになって取り乱した声が聞こえてきそうですが、「第2の森友学園疑惑」なんて話も出てきたのには、すっかり度肝を抜かれてしまいました(「リテラ」)─。

 「…じつはもうひとつ、森友学園と似た構図の疑惑が安倍首相にもちあがっている。
 昭恵夫人が名誉園長を務め、自分の親友が経営する学校法人のために規制緩和をして、結果、この学校法人が経営する大学に約17万平方メートル、開発費も含めると37億円におよぶ土地が無償譲渡される予定になっているというのだ。」

 この学校法人の加計理事長は、アベ首相の古くからの「オトモダチ」にして、頻繁にお食事をともにしたり、ゴルフをプレイしたりする「腹心の友」だそう。
 そしてくだんの学校法人が運営する岡山理科大に獣医学部を新設、そのキャンパスを今治に置くという構想になかなか国の認可が下りなかった2015年12月、アベ首相が国家戦略特区諮問会議で、今治市を全国10番目の特区にすることを決定、翌年11月には獣医学部の新設に向けて制度を見直すことを表明します。すると…

 「国が認めてこなかった10年がまるで嘘のように、安倍首相の決定によってあまりにも順調に進んでいった加計学園の新学部開設。そして、安倍首相の『腹心の友』の経営する学園はその結果、37億円もの値段の土地をタダで手に入れた」

 つくづく「オトモダチ」っていうのはありがたいもんだ、と思わせてくれる実に「麗しいお話」でした。

(「零細出版人の遠吠え」03/07より。 http://www.liberta-s.com/
posted by ロバの耳 at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠吠え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月07日

≪おすすめ本≫中澤誠・水谷和子・宇都宮健児『築地移転の闇をひらく』─「のり弁」黒塗り書類を読み解き、ズサンな豊洲計画の闇と利権に迫る=森山高至(建築エコノミスト)

 移転予定ギリギリで、問題が大きくクローズアップされた豊洲市場移転問題。それ以前から10年以上の長きにわたって粘り強く問題提起に取り組んだのが、著者の中澤誠さん、水谷和子さん、宇都宮健児さんらである。

 本書はこれまでの経緯を、原因から問題の推移まで、特に中澤・水谷の二人が対談形式で語り尽くし、現在、巷で語られている豊洲市場問題における、正確でかつ根本的情報が開陳されている。

 この問題の本質は、公共事業における公の概念を、真っ向から否定したことにある。卸売市場における公益性とは、生鮮食品の安定供給と適切な価格形成にある。そのために市場には非常に数多くの職種の関係者が、複雑な関係性を保ちつつ従事している。

 ところが、計画を急ぐあまりに用地取得を強引に進め、施設設計の内容について、市場関係者の合意を得ることなく設計や施工が開始された。その杜撰なプロセスにより、公共施設として必須な検討事項や機能性、安全性が、疎かにされてきた。

 もし予定通り移転していたなら、即日、市場機能は混乱を来たし、その後は永遠に機能回復しない可能性もあったのだ。
 いわゆる「のり弁」と揶揄される黒塗りの行政開示書類を読み解きながら、欠けたジグソーパズルのピースを組み合わせ、最終的にその実態を詳らかにしていく経緯が、まるで遺跡発掘や事件捜査のようなノンフィクションドラマみたいに小気味よく、時にユーモアも交えながら展開していくのも本書の魅力である。

(大月書店1200円)
posted by ロバの耳 at 10:33| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめBOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月04日

《焦点》監視カメラは犯罪予防に有効か、先進国の英国では「定かでない」と報告=橋詰雅博

 警察は防犯カメラと言い換え、大メディアもそのまま報じているが、「監視カメラ」が実態だ。
 小型化、低廉化、録音できる高機能化が進み、プライバシーの侵害につながる「監視社会」を築き上げている。警察が設置した監視カメラは2008年が363台だったが、昨年3月時点で26都道府県に1530台。店舗や駅、商店街、コンビニ、住宅など民間が設置している監視カメラ台数は400万台以上と推計されている。最近では公共施設に設置する自治体も急増中。民間などの監視カメラが録画した映像は、捜査に必要と要請されれば警察に提供される。 「監視社会」を官民ぐるみで支えているわけだ。
 昨年1年間の刑法犯が戦後初めて100件を割ったと警察が1月下旬に発表したが、監視カメラの設置などが原因と分析。しかし、映像に依存しすぎて裏付け捜査をロクにしない結果、誤認逮捕も各地の警察で起きている。
 そもそも監視カメラは犯罪予防に有効なのか。監視カメラ先進国のイギリスでは、「定かでない」と議会で報告されている。1000台の街頭監視カメラで1年間にたった1件しか検挙していないと報じたメディアもある。
 日本は警察庁が監視カメラの防犯効果について、10年に監視カメラを川崎駅東口に設置し実験を行った。
 1月末に都内で講演した監視カメラ問題に詳しい武藤糾明弁護士は、こう説明した。
「監視カメラがない地域でも刑法犯は09年と比べて20%減少している。監視カメラ設置地区は30%減だが、自然減少分を差し引くと10%減少にとどまる。一方、周辺地区は10%だけ減少。同じく自然減少分を差し引くと10%増えたことになる。つまり設置地区で減少した10%分の犯罪は周辺地区に移動した。監視カメラにより犯罪が地理的に移転している」
 防犯の有効性は証明されていない。規制する法律もない。だが監視カメラは増えていく。監視社会が強化される。

posted by ロバの耳 at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月03日

《焦点》東京MXが「電通企画」放送中止、強気を助け弱気をくじく=橋詰雅博

 沖縄ヘイトデマ放送をした東京MXテレビの「ニュース女子」。集中砲火を浴びているが、実はこの番組では昨年10月にネット広告不正請求事件などを起こした電通を取り上げる予定だった。ところが放送直前になって中止。コメンテーターとして出演するはずだった元博報堂社員で広告業界に詳しいノンフィクション作家・本間龍さん(54)が真相を語った。
  ☆
 化粧品・健康食品製造販売大手のDHCの子会社「DHCシアター」の依頼で「ニュース女子」を企画・制作するボーイズ(本社・大阪市)から本間さんに出演依頼があったのは9月末。電通に焦点が当たった理由は、@その数日前にネット広告不正請求があったことを自ら電通が発表したA5月には東京五輪・パラリンピック誘致活動で電通が裏金をばらまきフランス検察が捜査中だと英ガーディアン紙が報じたからだ。ボーイズのディレクターから世間で注目を浴びる電通とはどんな会社なのかを10月10日放送のトークテーマ「電通にまつわる噂」のコーナーで10分程度話してほしいと本間さんにメールがきた。「メディアが触れたくない電通を題材したものを本当にやれるの?」「電通批判をしてきた私が出演しても大丈夫か」と本間さんは返信した。
企画の中止なし
 すると本間さんに電話をかけてきたディレクターがこう言ったという。
「電通を題材にするのはセンシティブな問題だが、DHCシアターからお金をもらって当社が『ニュース女子』を制作している。電通は関与しておらず、文句がくることはない。提示した企画を最終チェックするMX(番組放送を時間貸ししている)がストップをかけたことは一度もありません」(本間さん)
 納得した本間さんは出演(ギャラは5万円)を承諾。ボーイズからVTR内容表と10月6日に行われる収録スケジュールが送られてきた。しかし、結局、本間さんが話す予定だったコーナーは中止となった。
権力におもねる
 本間さんが言う。
「4日夜に私に電話をかけてきたディレクターが『明後日の収録はキャンセルになりました』
と言った。ディレクターの説明はこうだ。番組収録前の最終打ち合わせでMX側が『電通ネタはダメ』と中止を要求した。
ボーイズは『不正請求事件は電通が会見で発表し、多くのメディアがニュースとして報じた。電通がどんな会社かを一般の人に知らせるだけだから問題ないのではないか』と述べた。だが、MX側は『電通をテレビの題材にすること自体がNG』と突っぱね、収録許可を出さなかった。
電通から圧力があったとは感じられなかったので、MXが自主規制したという印象を受けた」
 東京MXテレビとボーイズにコメントを求めたが、「個別の案件に回答しません」と返事がきた。
「権力のない沖縄住民の米軍基地反対運動を潰すようなデマ放送を平気で流す一方では権力を持つ電通にふれるのを怖がるMXテレビは、強気を助け弱気をくじく報道姿勢だ。このような体質のテレビ局に公共電波を使用する資格があるのだろうか」(本間さん)
 ちなみにMXテレビの別の番組でコメンテーターとして出演依頼されていたジャーナリストの安田浩一と津田大介の両氏は、東京MXテレビへの出演を見合わせている。

posted by ロバの耳 at 14:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月02日

《遠吠え》「コイケ・カゴイケ・コーノイケの3イケメン」から目が離せない腐臭プンプン学園スキャンダル=田悟恒雄

 きのうの参院予算委員会、「ある国会議員の事務所の面談記録」を掲げた共産党・小池晃書記局長の追及には、見どころがたくさんありました。「腐臭プンプンの森友スキャンダル」は、いよいよ大きな山場を迎えたようです。
 そこには、森友学園・籠池泰典理事長が政治家に口利きを依頼して回ったり、近畿財務局や大阪航空局との「格安払い下げ交渉」を精力的にこなしたりする様子が、事細かに記されています。
 与党政治家関与の動かぬ証拠をつきつけられたアベ首相、見るからに取り乱し、「読まれた文書は本当のことかわからない。立証する責任はそちらにある」などと、下手な逃げの一手を弄します。
 さらに質問の矛先が、学園と元「名誉校長」氏との関係に及ぶや、またしても逆ギレ─。

 「私は公人だけど妻は私人だ! 妻を犯罪者扱いするのは、私は極めて不愉快ですよ! 本当に不愉快ですよ!」と。

 だけどねぇ、「瑞穂の國記念小學院」HPには、つい先だってまで、「安倍晋三内閣総理大臣夫人」の肩書きで、「名誉校長」氏の挨拶文が写真入りで掲げられていたんですよ。それでも「公人」じゃないなどと言い張れるんでしょうか!?
 などと思っていたら、思わぬところから物事の呑み込みの早い(?) 鴻池祥肇元防災担当相が闖入、「森友学園の件であらぬ疑いがマスコミの皆さんにあるのではないかと思い」、緊急の記者会見に及びます。
 「戦争法案」の参院特別委強行採決で名を馳せたこのご仁、聞かれもしないのに何と、籠池理事長が「カネか、コンニャクだったか」わからぬ包みを持参して「これでお願いします」と議員会館に現われたことを、身振り手振り交えて、事細かに証言してくれました。
「小池・籠池・鴻池の3イケメンによる森友バトル」が今後どう展開していくのか、しばらくは参院予算委員会から目が離せません。

(「零細出版人の遠吠え」03/02より。 http://www.liberta-s.com/
posted by ロバの耳 at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠吠え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月26日

≪おすすめ本≫山田健太『放送法と権力』─放送法の弱点につけ込む安倍政権の露骨な動きを実証的に解明する=隅井孝雄(NPO京都コミニュティ放送副理事長)

 この3年、安倍政権の放送への介入干渉は著しいものがあった。そしてこれまで知られなかった「放送法」という法律が、報道の自由あるいは不自由と関連付けられて脚光を浴びるに至った。

 本書は、もともと放送の自由を保障する法律である「放送法」が、報道を規制する手段として活用され、ついには「公正な報道違反の場合は政府が免許停止を行うことができる」─その根拠となった経過を克明に追う。
 放送法が持つ欠陥、それを利用した安倍政権の動きを実証的に解明している点に特徴がある。顕著な動きは2014年の衆議院選挙の際、政権与党自民党が、在京キー局に対し「公正中立」を要望したことであった。

 そこでは出演者の選定、街頭インタビューなどが俎上に上った。さらに選挙後、自民党はNHKとテレビ朝日を喚問し、番組について事情聴取した。さらに総務省の行政指導が続き、高市総務大臣の「政治的公平を欠く場合、免許停止もありうる」という発言につながった。

 著者は、かつて存在した電波監理委員会法による免許権限条項が、1952年当初は郵政省(のち総務省)の管轄であったが、そっくり政府に移されたことが巧みに利用されたとみる。さらに2010年の改正放送法で、有線ラジオ・テレビ、パソコンテレビなども組み込まれ、政府の放送規制が、ネットコンテンツ全体に及ぶと危惧する。

 言論および情報の自由総体に関心をもつ著者は、秘密保護法やデジタル時代のメディア、にも各一章を割き、終章ではヘイトスピーチや大規模災害と市民力とのかかわりを論じている。ジャーナリスト必読のスケールの大きな論考だ。
(田畑書店 2300円)
posted by ロバの耳 at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめBOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月22日

《遠吠え》十分すぎるほどいかがわしいアナクロ教育をヨイショするファーストレディの驚くべき不見識=田悟恒雄

 そもそも名前からして、十分すぎるほどいかがわしい。いいえ、大統領補佐官を辞任したフリン氏の話(Cf. 零細出版人の遠吠え02/15)をむしかえそうってなわけではありません。
 財務省近畿財務局が大阪の学校法人・森友学園に、国有地を通常の約1割の値で払い下げたという「国有地払い下げ疑惑」のことです。疑惑の解明は、大阪地検特捜部に期待するとして、ここで問題とするのは、同学校法人が「疑惑の土地」に今春から開校しようとしている私立小学校そのものです。
 その名を「瑞穂の國記念小學院」と言い、小学校だというのに難しい旧字を宛てがっています。もっと傑作、かついかがわしいのは、寄付金を募ったときのその名です。ナなんと「安倍晋三記念小学校」ですって!
 「悪い冗談」というのはふつう、このへんでお終いとなるのですが、これにはさらに「悪い冗談」の続編があるのです。ナナなんと、記念に名を冠された宰相の妻・安倍昭恵氏が「名誉校長」を務めるんだそうです。
 このことを国会で質された「記念政治家」氏、血相を変えて「関係していれば総理も国会議員も辞める」などと息巻いていましたが、「妻から学園の先生の教育への熱意はすばらしいという話は聞いている」などともおっしゃっています。
 と聞いて、いったいどれほど「すばらしい教育」をしようとしているのか知りたくて、同「小學院」のHPに当たってみました。「教育の要」は、次のようなものだそう─。

・ 天皇国日本を再認識。皇室を尊ぶ。伊勢神宮・天照大御神外八百万神を通して日本人の原心(神ながらの心)、日本の国柄(神ながらの道)を感じる。
・ 愛国心の醸成。国家観を確立。
・ 教育勅語素読・解釈による日本人精神の育成(全教科の要)。道徳心を育て、教養人を育成…etc.

 なあーんだ、つまりは戦前の教育を復活させようって話じゃないですか! 現にそのあとには、「明治23年10月30日 御名御璽」のついた「教育勅語」が仰々しく掲げられていました。
 かの「ファーストレディ」氏の「すばらしい教育」とは、こんなものだったんですね、ゲッ。

(「零細出版人の遠吠え」02/22より。 http://www.liberta-s.com/
posted by ロバの耳 at 10:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠吠え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月19日

≪おすすめ本≫ 松元ヒロ著 武田美穂絵『憲法くん』─「もう…変えてもいいよ、といえるほど、わたしのことを使ってくれたんですか」=水島朝穂(早稲田大学教授・憲法)

 20年前、「憲法フェスティバル97」で、コント集団「ザ・ニュースペーパー」が<日本国憲法施行50年の「夜」>を公演した。この企画にシナリオや監修という形で関わった。
 「明日の新聞をよむ」というコンセプトで、法案段階だった通信傍受法や「代用監獄」の法制化などもネタにした。その最後の第11場が、本書の著者・松元ヒロさんの一人芝居で、そこに登場したのが「憲法くん」だった。

 このキャラは、本番の数日前に、焼きとり屋で、ヒロさんとの語りのなかで生まれた。この時、「憲法くん」は50歳だったが、いまは古稀を迎える。働き盛りとはいえない。

 本書では、こうなっている。「・・・みなさんにがんばれといわれれば、まだまだがんばります。だって、まだ70歳です。・・・でも、わたしをどうするかは、みなさんが決めることです。私は、みなさんのわたし、なんですから。わたしを、みなさんに、託しましたよ」。

 20年前の公演では「おまかせしましたよ」だったが、本書では「託しましたよ」に変わっている。憲法97条の「・・・基本的人権は・・・信託されたものである」を受けたものだろう。

 「憲法くん」はいう。「もういいよ、変えてもいいよ、というくらいまで、わたしのことを使ってくれたんでしょうか」と。

 「とにかく憲法改正」という首相が暴走している。米国にトランプ政権が誕生した。憲法にとって、今年こそ正念場である。本書はきれいでコンパクトな絵本なので、この四月に小学校に入る孫と一緒に読むことにしたい。
(講談社1400円)
posted by ロバの耳 at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめBOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月17日

《遠吠え》「いつの間にか私たちが生きる時代が中世に似てきている」という科学史家のいとも衝撃的な警告=田悟恒雄

 「事実の軽視、まるで中世」─。うーん、ごもっとも。けさの朝日新聞「月刊安心新聞」での神里達博さん(千葉大教授)の言い分に共感。
 神里さんは、南スーダン派遣陸自部隊の「日報」をめぐる稲田防衛相の国会答弁(Cf.「零細出版人の遠吠え」02/09「『愚かなアクロバット行為』を演じる防衛大臣」)を採り上げ、いまこの国で一世を風靡する「事実の軽視」という社会的雰囲気を摘出します。
 でもこれは、日本だけでなく、「ポスト真実」(post-truth)という形で「先進諸国で同時多発的に」生じている現象で、「かなり真っ正面から『事実』が無視され、しかもそのことを多くの人々がさほど気にとめないという状況」になっている、と警告します。
 さぁて、ここからが科学史家・神里さんの本領発揮。中世ヨーロッパの『健康全書』に架空の植物「マンドラゴラ」が収録されていたことを引き合いに出して、こう言います─。

 「ここから見えてくるのは、当時を生きた人々が重視したのは、対象が実在するかどうかではなく、集合的な主観において、リアリティーを共有できているかどうかだったのではないか、ということだ。…いつの間にか私たちが生きる時代が、…中世に似てきているということはないだろうか」と。

 で問題は、「『事実行為としての殺傷行為』はあっても、これは『戦闘行為』ではなくて、『武力衝突』である」などと言い繕って涼しい顔をしている稲田大臣の「愚かなアクロバット行為」だけではありません。
 その「上司」たるアベ首相には、そんな手口を「得意芸」としている節すら見られるのです。たとえば昨年6月の、かくも厚かましい弁明も記憶に新しいところ─。

 「現在直面しているリスクは、リーマンショックのような金融不安とは全く異なるが、危機に陥ることを回避するため、内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきだと判断した」と。

 しかもこれは、「考えが変わった」のではなくて、「これまでのお約束とは異なる、新しい判断」なんだってさ。

(「零細出版人の遠吠え」02/17より。 http://www.liberta-s.com/
posted by ロバの耳 at 10:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠吠え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月15日

≪出版界の動き≫1月~2月─書協・雑協・出版協が、菅野完『日本会議の研究』の出版差止めに抗議声明

●2016年電子出版の売り上げ1909億円(前年比27.1%増)。コミック1460億(26.9%増)、書籍258億(13.2%増)、雑誌191億(53%増)。

●J:COMが電子雑誌の読み放題サービスを始める。「雑誌読み放題コース」は、月額500円で500以上のデジタル版雑誌が読める。「NHKテキストコース」は、月額400円〜700円でNHK出版の語学テキスト・趣味・実用誌が閲覧できる。

●書協・雑協・出版協が、菅野完『日本会議の研究』(扶桑社)の出版差止めに抗議声明。同書の本文中で言及された男性が、名誉棄損を理由に出版差止めの仮処分を申し立て、東京地裁が1月6日、その主張の一部を認め、出版差止めを決定。これに対し「出版・言論表現・報道の自由を制約する今回の危険な決定に強く抗議する」と訴えた。

●TSUTAYA─2016年の販売額1308億円(前年比5%増)・22年連続で前年を上回り過去最高。地域ごとに特性ある新店舗をオープンし、812店舗での発注・品揃え、デジタル書籍サービス「Airbook」の拡大、目利き書店員による「復刊プロデュース文庫」・コミック復刊企画などの成果が実った。

●出版労連が出版研究室を開設─参考資料に「1990年から2015年までの出版労連組織と関連データ」を発表。労連単組数163→89(90年比55%)、組合員数10,803→4,838(同45%)、書店28,000→13,488(同48%)

posted by ロバの耳 at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版界の動き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月13日

≪メディア随想≫─呆れる「安倍政権ファミリー」の劣化と見識、退くのが「ファースト」!

 安倍首相・トランプ大統領のハシャギぶり。「相性がいいんだ」とは言いえて妙。ともにウソや恫喝で政治を操るテクニックは同じ。
 トランプ氏が恫喝で買収したフロリダの豪邸「マー・ア・ラゴ」の夕食会で、安倍首相は昭恵夫人と共に、日米の「蜜月」を誇示する。明けてゴルフ場で両首脳はハイタッチ。その合間の密談、かつ2度目の夕食がクセモノ。

 「おべっか」を使う安倍首相が「日本の公的年金を米国のインフラ投資に献上」とまでバラされた、カモネギ外交・貢ぎ物外交に終始するのでは、目も当てられない。

 マティス国防長官と稲田朋美防衛相の会談でも、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル」を、自衛隊に導入するとまで約束した。
 その稲田防衛相は、南スーダンの戦況は「憲法9条のうえで問題」になるから、戦闘でなく「武力衝突」という言葉を使ったという。この呆れる弁明。

 さらに安倍首相・昭恵夫人が名誉園長・校長に就く、学校法人「森友学園」をめぐる疑惑も看過できない。
 4月に開校する「瑞穂の國記念小學院」の用地獲得に向け、近畿財務局へ働きかけ、国有地を異常に安い価格で得た疑惑である。
 この学園理事長は、憲法改正を求める「日本会議」大阪の役員で、田母神俊雄、櫻井よしこ、百田尚樹といった右派文化人を招いて講演会を開催し、幼稚園では日の丸の旗を振らせて<同期の桜>を歌わせるので有名だ。昭恵夫人の見識が問われる。

 文科省のあっせん天下りといい、金田法務相が「共謀罪」を法案提出まで話題にしないよう、マスコミを使って恫喝する始末。
 この「安倍政権ファミリー」は退くのが「ファースト」。

【今週の風考計】2.12より
posted by ロバの耳 at 10:13| Comment(0) | TrackBack(0) | メディア随想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月09日

《遠吠え》さすがは「反知性主義内閣の劣化閣僚の面々」、よくもこれだけの「逸材」を集めたもんだ!=田悟恒雄

 国会での質疑を恐れ、「恥の上塗り」を重ねる法務大臣がいるかと思えば、「事実行為としての殺傷行為」はあっても、そうなると「憲法9条上の問題」になってしまうから、これは「"戦闘行為" じゃなくて "武力衝突" なのだ!」などと強弁して、「愚かなアクロバット行為」を演じる防衛大臣もいる。
 さすがは「反知性主義内閣の劣化閣僚の面々」、よくもこれだけの「逸材」を集めたものだと、ただただ感心するばかりです。
 それにしてもあんまりじゃないですか? 昨秋、フリージャーナリストの布施祐仁さんが南スーダン派遣陸自部隊の「日報」の情報開示請求をしたときには、「廃棄した」として「不開示」にされていたものが、自民党の河野太郎衆院議員に再調査を求められて、「ありました、ありました、別のところに…」となる不思議。
 しかも、その文書を隠し続ける一方、国会ではアベ首相が、「戦闘行為ではなかった。衝突、いわば勢力と勢力がぶつかったという表現を使っている」などと、きわめて不誠実な答弁を繰り返していたのですよ。
 そして、このたび発見された(!)「日報」には、「宿営地5、6時方向で激しい銃撃戦」「直射火器の弾着」「戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘」…などと、「戦闘」の様子も生々しい現場リポートが続いているというわけです。
 なのに、これを「武力衝突」などと言い募り、涼しい顔して愚かしい言葉遊びに興じている。これじゃ、「戦闘」現場に投げ出された自衛官が、あまりに気の毒じゃないのか!? 彼らのいのちを弄んでいることにはならないのか!?
 「福井のメガネ」の奥にきらりと光る冷たい視線を見て、押し止めようのない「愛国心」に燃える零細出版人なのでした。

(「零細出版人の遠吠え」02/09より。 http://www.liberta-s.com/
posted by ロバの耳 at 10:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠吠え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月08日

《焦点》神奈川新聞の看板連載記事「時代の正体」のデスクの石橋学さんの紹介=橋詰雅博

 発行部数19万の神奈川新聞の売り物記事は、2014年7月から連載がスタートした「時代の正体」だ。一般的に新聞に求められる「公正」「中立」「両論併記」を捨て去り、記者が自由に書くスタイルが最大の特徴。安倍内閣の暴走を批判し、教科書問題で最大の右翼組織・日本会議の暗躍をあぶり出し、ヘイトデモの非人道性を訴えるなど、地方紙から抜け出た異色の連載は、評価を得た。単行本「時代の正体 権力はかくも暴走する」(現代思潮新社)が15年の平和・協同ジャーナリズム基金奨励賞を、新聞連載が16年度の日本ジャーナリスト会議賞をそれぞれ受賞した。報道部の石橋学さん(45)はこの連載のデスクを務める。
 「連載のスタートは、安倍内閣が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に踏み切った2週間後。権力の暴走を止められなかったジャーナリズムは不戦敗でした。そこで地方紙であっても、きちんと権力批判をしなければいけないという動機で、論説特報面の3分2を占める大きなスペースで『時代の正体』の連載を始めた。記者が自由にのびのびと記事を書いている」
 記事が偏っている批判する読者に対しては「偏っていますが、何か」と切り返す。
「読者アンケートでは思想・主張がある、読み応えがある、新しい知見が得られると肯定的な意見が多かった『時代の正体』は、ツイッターなどで拡散されている。ありがたい。地方紙ですが、全国の人に読んでいただいている。やりがいがあります。大きな可能性が感じられる」

posted by ロバの耳 at 14:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月07日

《遠吠え》「偏見」も「憎悪」も「言論の自由」のイチジクの葉で隠そうとする新聞社論説副主幹氏のお粗末=田悟恒雄

 沖縄県東村高江のヘリパッド建設に反対する人々を「テロリスト」扱いするなど、「沖縄差別のヘイト放送」と批判された東京MXテレビの「ニュース女子」─。この報道バラエティ番組をめぐり、東京新聞と中日新聞がこの2日、深田実・論説主幹名で「お詫び記事」を出したことに対し、こんどはくだんの番組の司会を務める東京新聞の長谷川幸洋・論説副主幹が、ラジオ番組で「反論」をしています。
 きのうの産経ニュースによると、長谷川氏は6日、ニッポン放送のラジオ番組「ザ・ボイス そこまで言うか!」に出演し、東京新聞が謝罪記事を掲載したことについて、「はっきり言って、とんでもない問題だ。私に対して処分をするということは、言論の自由の侵害になる」などと反論し、さらにこう述べています─。

 「東京新聞は〔今回の問題と〕何の関係もないし、私が社外で発言することが東京新聞の報道姿勢と違っていても、何の問題もない。それを保障すること自体が言論の自由を守ることだ。…論説主幹の意見を忖度し、他の意見を排除していたら、北朝鮮と同じになってしまう」と。

 でも、どうでしょう? 問題の番組内容は、「意見の違い」などということで済まされるものではありません。論説主幹の深田氏が問題としたのは、それが「偏見を助長して沖縄の人々の心情、立場をより深く傷つけ、また基地問題が歪められて伝えられ皆で真摯に議論する機会が失われかねない」ということでした。
 「真実」や「事実」を重んじるべき新聞社の幹部が、「間違いだらけで、偏見と憎悪に基づく番組」(ジャーナリスト・津田大介さん)の司会を務めたばかりか、何の反省もすることなく、「いろいろ騒ぎになりましたけど、まあ、盛り上がっているということですよ」などと吹聴しているとは、「言論の自由」が聞いて泣きます。
 「Post truth」などと称して「虚偽」が大手を振るい、「真実」や「事実」が蔑ろにされる世界的な風潮のもとで起きた今回の事件は、決してゆるがせにしてはならないと考えます。

(「零細出版人の遠吠え」02/07より。 http://www.liberta-s.com/
posted by ロバの耳 at 09:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠吠え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

≪おすすめ本≫高田昌幸+大西祐資+松島佳子 編著『権力に迫る「調査報道」 』─権力の監視を目指す記者が抱いた「小さな疑問」から真実に迫る=上出義樹(元北海道新聞記者)

 メディア関係者の間で近年、調査報道への関心が高まっている。本書は権力の監視を担う記者たちが日常の取材で感じる「ふとした疑問」を出発点に、隠された事実に迫る彼らの地道な作業を紹介しながら、報道とは何かを問いかけている。
 本書は日本人記者ら8人のインタビューを中心に構成。自衛隊に絡む機密や福島原発事故の「真相と深層」、集団的自衛権行使の舞台裏に迫る報道などを取り上げている。

 例えば、イラク復興支援の名目で航空自衛隊が愛知県の小牧基地から米兵を空輸していたことを報じた2007年7月の中日新聞のスクープは、人道支援活動にしては空輸の本数が多過ぎ、「何か変だ」という記者の素朴な疑問から取材が始まった。
 また、集団的自衛権行使に関わる憲法解釈変更の経緯を、公文書に残していなかった事態をスクープした毎日新聞の2015年9月の記事は、法制局内部の議論に注目し、情報公開制度を駆使して実現した。
 本書はさらに、「パナマ文書」を読み解く国際的な記者の連携という調査報道の新しい形に挑むイタリア人ジャーナリストらにも取材している。

 8人に共通しているのは、他の記者がつい忘れがちな「小さな疑問」への徹底的な執着である。
 ジョージ・オーウェルは有名な小説「1984年」で「(権力が)報道されたくないことを報道するのがジャーナリズム。それ以外は単なる広報」との名言を残している。権力の監視を目指す本書にこそ贈りたい言葉である。

(旬報社1800円)
posted by ロバの耳 at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめBOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月31日

《焦点》JCJ代表委3人による新春鼎談 ポピュリズムと対峙する年に=橋詰雅博

 2016年は英国のEU(欧州連合)離脱に続きトランプが米大統領選に当選し、世界がショックを受けた。これは反エリートを強調し、不安を煽るためウソも平気でつくポピュリズム(大衆迎合主義)の勝利という見立てが広がっている。一方、国民の声を無視続けても安倍内閣の支持率は高止まり。とうとう5年目に入った。創立61年目の日本ジャーナリスト会議(JCJ)の隅井孝雄、中村梧郎、守屋龍一の各代表委員が国内外の情勢にふれて、JCJの今後の活動を話し合った。司会は事務局長兼機関紙編集長の橋詰雅博が務めた
◇     ◇     ◇

司会 これから始まるオランダ、フランス、ドイツの欧州の選挙でポピュリズムが勢力をさらに伸ばしそうですが、この現象をどう見ますか。
隅井孝雄 民主主義の欠陥を補うという見方があるが、ボクは賛成できない。むしろ危険な方向に動いている。その象徴である米トランプ政権の閣僚人事みても、大金融資本や米軍などの出身者が目立つ。トランプ自身も核開発拡充と言っている。富める者はますます富めるという構図が強まる。貧困と格差の是正はできない。これがはっきりしたら、米国内で若者を中心とした反乱が起きるかもしれない。
 一方、安倍首相は、選挙に勝つため改憲や秘密保護法、安保法など国民から反発を受けそうなテーマを引っ込めてアベノミクスに争点を集中させた。テレビ出演も多く、大メディア幹部との会食も盛ん。安倍首相は今のポピュリズム現象より一歩速く先行している。

続きを読む
posted by ロバの耳 at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月30日

《焦点》公衆便所の落書きも共謀罪に=橋詰雅博

 20日に召集された通常国会で与野党が激しく対立しそうなのが共謀罪創設法案(安倍内閣は「テロ等組織犯罪準備罪」という名称で提出予定)。安倍首相は法案を成立させなければ、2020年の東京五輪・パラリンピックが開催できないと前のめりだ。過去3回廃案になったものと今回の法案の中身はそんなに変わらない。むしろテロ防止を強調して共謀罪隠し≠しているから今回の方が悪質である。
 昨年10月に衆院議員会館会議室で開かれた反対集会で、関東学院大名誉教授の足立昌勝さん(刑事法)はこの法案の核心をこう述べている。
 「共謀罪を改め計画罪と言うべきだ。2人以上で犯罪を計画しただけで捜査が行われる。計画と判断するのは警察で、客観的な証拠など不要。法の網をかけやすく、非常に危険と言える。しかも翻意・離脱・中止を認めていないから、計画段階で犯罪が成立していると言っても過言でない」
 起訴できる見込みがなくても、警察は計画だけで逮捕や家宅捜索などの強制捜査が可能になる。「現代版治安維持法」といわれる所以だ。
 日弁連は新法律による共謀罪摘発ケースをいくつか挙げている。
・基地建設に反対する市民団体が工事阻止のため道路に座り込みを計画し、現地の地理を調べた。
・上場企業の役員らが会社の業績不振を隠すため利益を上乗せした有価證券報告書を作成することを部下に命じた。
・戦争に反対する市民団体が自衛隊の官舎に「殺すな」と書かれたステッカーを貼る計画を立て、ステッカーを買うためATMから出金した。
 また弁護士の永嶋靖久さんは「公衆便所の落書きは一人で考えるなら犯罪ではない。ところが(建造物損壊罪)に共謀罪が新設されると、2人で共謀するだけで処罰される」と指摘している。
 安倍内閣はここにきて共謀罪創設の犯罪数を300程度に減らす方針だが、狙いは変わらない。数が問題ではないのだ。



posted by ロバの耳 at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

≪メディア随想≫─改憲よりも、まず大阪から「教育無償化」に向けて、一歩踏み出したらよい!

 トランプ大統領とそっくりな人が、日本にもいる。そう橋下徹氏である。大阪府・市の首長を経て丸9年。ツイッターでの「指先介入」は健在だ。

 「いよいよ安倍首相が教育無償化に乗り出した。教育大国日本へのスタートだ」と息巻き、「トランプ大統領と伍していくには、日本も原子力潜水艦を保有すべき」と語る。おいおい、<衣の下から鎧が見える>じゃないか。

 現に、国会では「日本維新の会」所属の重鎮議員が、安倍首相に「カジノ解禁法」成立へのお礼とばかりに、「教育無償化」の導入をテコに、憲法改正を要請している。
 さらに「トランプ大統領が更なる負担を求めてきたら、防衛費の見直しも検討すべき」と、GDP1%枠の規制ハズシを促す。

 とりわけ安倍首相は、「日本維新の会」代表でもある大阪府知事の松井一郎氏が、これまでに「9条も見直していくべきだ」と表明しているのを、強力な援軍にして、9条改定・国防軍創設に執念をみせる。
 「教育無償化のための改憲」という主張には、9条改憲の呼び水・先導役を買って出るコズルイ狙いがあるのは見え見え。

 まず大阪から、教育無償化に向けて一歩踏み出しらよい。松井氏自身が「自治体の予算でもできる」と、言っていたではないか。
 この12日には、中学1・2年生を対象に2回目の「チャレンジテスト」を実施した。これは「点数至上主義」に走り、テスト漬けにするだけ。
 その歪んだ教育行政は、多くの人々が即刻中止せよと声を挙げている。テストにかける経費を教育無償化の財源に充てたらよい。

【今週の風考計】1.29より
posted by ロバの耳 at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | メディア随想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月28日

≪風塵だより≫ トランプ「3G内閣」の欺瞞=鈴木 耕

 トランプ大統領の就任演説を、ぼくは翌日のニュースで見た。なんだか悲しくなった。ひたすら「アメリカ・ファースト!」を繰り返す。演説の中でいったい何度、この言葉を繰り返したことか。
 自国第一。むろん、政治家が自国の利益を最優先するのは、当たり前のことだ。しかし、それは他国との関係性の中で探られるべき方向性であって、他国を貶め、他国を無視して自国第一を掲げるなら、世界はメチャクチャになってしまう。
 毎日新聞(22日付)が、トランプ演説に、こんな見出しをつけていた。

 米国製品を買い 米国人を雇う
 みなさんは二度と無視されない
 支配階層から国民に権力を戻す
 この日から「米国第一」になる

 言葉だけを見ると、その通りと思うかもしれない。しかし、待てよ、と思う。
 「米国製品」が米国だけで出来上がっていると思うなら、言うべき言葉などない。多くの国の産品や技術を利用することによって、ようやく完成品になる。そんな道理が理解できない人。
 「米国人を雇う」なら、現在の安い賃金の他国への依存は無理。米国人のみを雇用するのであれば、製品価格の上昇は避けられない。結局、高価格品を買わされ、インフレに苦しむことになるのは米国人。当たり前のリクツだ。
 「支配層から国民に権力を」とは言うけれど、トランプ政権の閣僚たちはどうか。彼らは「3G」と言われるエスタブリッシュメントの寄せ集めである。では、3Gとは何か。
 General(将軍)、Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)、Gazillionaire(ガジリオネア=大富豪という意味の新語)という。つまり、トランプ政権の閣僚たちは、ほとんどがこの3つのGの範疇に入るのだ。トランプ氏が罵倒し続けた「支配層」そのものだ。そんな支配層が、自分たちの富を減らすような政策を採るはずがない。つまり、あのトランプ氏のエスタブリッシュメント批判は、ただの選挙戦術にすぎなかったわけだ。
 トランプ氏を熱狂的に支持した白人中間層といわれる人たちが、そのことに気づくのはいつだろうか。

詳細は≪風塵だより≫「105 トランプの箱」(http://www.magazine9.jp/article/hu-jin/31993/
posted by ロバの耳 at 10:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 風塵だより | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月23日

《遠吠え》「1度やったらやめられない」お役人が辞めた後も守り続けてくれる "ザル法"に3度びっくり=田悟恒雄

 文科省の「官僚天下り」が問題になっています。何と、大学の設置認可やら私学助成やらを取り仕切る「高等教育局」の前局長が、取り仕切られる側の早稲田大学に職を得たというのですから、口あんぐり。
 えっ、何々? と思って、くだんの前局長氏の名前を見て、2度びっくり。以前は文化庁にいて、「著作権法の権威」として広く知られていた人じゃありませんか!?
 おまけに以前、零細出版人が、さる希少動物繁殖販売業者から「著作権法違反」のかどで訴えられたとき、その方の法理論解説論文などを参考に本人訴訟の弁論を組み立て、おかげで訴えが棄却されたという、いわば「知的恩義」すら感じていた方だったのです。
 ところが、そんな前局長氏を教授として招いた早大は、大学での教授の役回りを「政策の動向の調査研究」「文科省の事業に関する大学への助言」とかにしたそう。どう見てもあまりに露骨。大学当局の魂胆は見え見えじゃないですか!? これで3度目のびっくり。
 では、どうして「天下り」はなくなることがないのでしょう? 元経産官僚・古賀茂明さんによる以下の解説(『日刊ゲンダイ』)には、即納得─。

「現在の天下りを規制する仕組みは、07年の国家公務員法改正でできたものですが、そもそも『ザル法』なんです。現役職員によるあっせんは規制されていますが、次官や人事課長などが役所を辞めてからあっせん行為をしても問題にならず、OBによるあっせんは今も続いています。加えて、違反した場合は懲戒処分までで刑事罰がない。あっせんをするのも懲戒処分をするのも人事当局ですから、犯人に警察権と司法権を与えるようなもので、機能するわけがありません。…抜け道がたくさんあるのです」

やっぱり、「役人と何とかは1度やったらやめられない」ってわけですね。

(「零細出版人の遠吠え」01/23より。 http://www.liberta-s.com/
posted by ロバの耳 at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠吠え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月15日

≪メディア随想≫─「デモはテロ」の発想と共謀罪の怖さ

 安倍政権は、20日から始まる通常国会に、3度も廃案になった「共謀罪」法案を、性懲りもなく提出する。詐欺や窃盗、道交法・公選法違反など、676の犯罪に適用される。
 実行していなくとも、居酒屋での冗談・怪気炎が、共謀の準備とみなされ、「共謀罪」が適用されるやもしれない。

 「共謀準備」とは、どんな行為をいうのか、676の犯罪に則して、一つ一つ明確に定義できるのだろうか。警察官のさじ加減や袖の下によって「共謀罪」か否かの判定が下されたら、たまったものではない。
 もともと犯罪は実行された行為をもって成立し、準備段階での話し合いなどは処罰しない─この近代刑法の根本原則が覆される、最も危険な法案だ。

 犯罪の計画や相談をしただけで処罰するには、警察や国家は、日常不断に国民を広く監視していなければならない。「デモはテロ」と発言するような政治家の発想ならば、シールズや<原発NO!>活動のメンバーへの盗聴や盗撮、パソコンの押収もありえよう。
 沖縄の辺野古基地・ヘリパッド建設に反対する運動にも、「共謀罪」の適用はあるだろう。現に沖縄平和運動センターの山城博治議長らは逮捕・起訴され、80日以上も拘束され続けている。「共謀罪」で立件の予行演習か? 勘繰りたくなる。

 さらに、その共謀罪が適用される刑罰の内容が過酷だ。実行してもいないのに、話し合っただけで5年の懲役・禁固。しかも自白・密告を奨励している。
 「内心の自由」「個人の尊厳」など、憲法に保障された基本的人権が、権力によって不断に脅かされる。テロ対策に名を借りた、戦前の「治安維持法」の復活に他ならない。

【今週の風考計】1.15より
posted by ロバの耳 at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | メディア随想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月13日

≪出版界の動き≫12月〜1月─雑誌の<大晦日発売>で売り上げ増

●2016年度・出版界の売り上げは1兆4670億円前後と予測され、ついに1兆5000億円を割りこむ。2017年度は1兆3000億円台まで落ちこみ、1996年のピーク時2兆6538億円の半分という事態を迎える。16年の特徴は、雑誌販売額(7200億円・前年比−7.7%)が、書籍販売額(7300億円・同−1.6%)を下回り、雑誌の凋落は深刻になっている。

●雑協と取協が共同し、「12月31日特別発売日」を初めて設定し、雑誌129誌・書籍40点、部数にして雑誌700万部・書籍100万部を書店とコンビニで全国一斉発売した。

●この大晦日発売≠ナ、トーハンは売り上げ全体を3.8%押し上げ。大晦日当日の売上げは「定期雑誌」が前年比19.5%増、「ムック」も同13.7%増。また日販も、大晦日は雑誌が前年同日比17.5%増、前年より21.6%増。特別発売日の効果が顕著に現れた。

●岩波書店は文庫・新書を、朗読で配信するオーディオブックに取り組む。12月23日に齋藤孝『読書力』、25日にゲーテ『若きウェルテルの悩み』をリリース。1月には大野晋『日本語練習帳』、2月には梅棹忠夫『知的生産の技術』小熊英二『生きて帰ってきた男』を予定。
posted by ロバの耳 at 09:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版界の動き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月11日

《遠吠え》週刊文春「阿吽の呼吸の驚愕スクープ」への零細出版人の「下司の勘繰り」=田悟恒雄

 きのう講談社のコミック誌「モーニング」の編集次長が、殺人容疑で逮捕されました。ジャンルの違いはあれ、同業者のひとりとして、無関心ではいられません。
 すると、「待ってました!」とばかり、けさの新聞に『週刊文春』の「驚愕スクープ」広告が−。

 「『進撃の巨人(講談社『別冊少年マガジン』)』元編集長の妻が怪死/単行本累計6千万部のベストセラーを生んだ京大卒カリスマ編集長が昨年8月、自宅で妻の首を絞め、階段から突き落とした疑いがある。妻は窒息死。夫婦には4人の子がおり、夫は育休を取得するほど子煩悩だったが、近隣には罵り合う声が響いていたとの証言もある。本人を直撃した─。」

 事件が起こったのは昨年の8月、「逮捕」はきのう。その公式発表の翌朝には早くも週刊誌の「驚愕広告!」が新聞を賑わせている。なんとまあ、タイミングのよろしいことで…
そこで、零細出版人の「下司の勘繰り」2題−。

 1)容疑者逮捕の日時について、早くから警察のリークがあった。
 2)昨夏から事件を追っていた文春の「驚愕スクープ」を察知した
   警視庁が、慌てて機先を制した。

 おそらくは後者だろうと思うのですが、それにしてもまだ証拠も証言も不十分、容疑者も容疑を否認している。「消去法による状況証拠」だけでは、立件は容易ではないでしょう。
 「推定無罪」の原則からすれば、講談社が「本人は無実を主張しており、捜査の推移を見守りたい」とコメントしたというのは、現段階でのひとつの見識かと思います。

(「零細出版人の遠吠え」01/11より。 http://www.liberta-s.com/
posted by ロバの耳 at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 遠吠え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする