◆「北海道デジタル出版推進協会」は、北海道で出版された本で、道外の人が入手困難な作品を電子化して全国に売る事業を始めている。現在販売している電子化した会員出版社の書籍・雑誌は約1050点。電子書店で一般向けに販売する。
史上最悪の被害とされた苫前町の三毛別ヒグマ事件を記録した木村盛武『慟哭の谷』(共同文化社)が良く売れているという。
◆2023年下半期の直木賞にノミネートされた作品には河ア秋子『ともぐい』(新潮社)がある。内容は「明治後期の北海道の山で、犬を相棒にひとり狩猟をして生きていた熊爪は、冬眠していない熊「穴持たず」を追っていた。人と獣の業と悲哀を織り交ぜた、理屈なき命の応酬の果てに待つ運命がすべてを狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河崎流動物文学の最高到達点!!」と紹介されている。
◆小豆島などがある四国の香川県で建築家の安藤忠雄さんが提案する、本を積んだ船「図書館船」を2025年春に運航開始することになった。県内の島などを行き来して、本の閲覧などを促進する「図書館船」は、子どもの郷土愛を育み、地域活性化や離島との交流拡大に役立つ。
この5月に安藤さんから「3000冊程度の図書を搭載できる小型の船舶を取得して改造し、来年末までに県に寄贈するので、子どもたちのために有効活用してほしい」という意向が示されていた。
◆香川県・高松市に“ひとり出版社”を立ち上げた作家の佐々木良さんが、万葉集を現代の言葉で読み解いた本を刊行。これまでの発行部数、計20万部・1億円を売り上げというヒット作となった。高松市内の小さなオフィス(家賃は月4千円)を拠点に、執筆から販売までひとりで手掛けて出版した。
また8月に、ユニークなシステムの“ひとり書店”が丸亀市にオープンした。地元出身の藤田一輝さんが立ち上げた。店内には四方30センチほどの本棚スペースが60、このスペースを一般に貸し出している。本棚ひとつひとつが “個人経営の書店”として、思い思いに自分でセレクトした本を置き販売できる。
◆黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)が1981年3月6日に刊行されて42年。ついに全世界で2500万部を突破し、「世界一売れている自叙伝」として、この12月14日、ギネス世界記録に認定された。
国内では現在まで108 刷と増刷を重ね、単行本だけで 585 万部、文庫版などの形態を含めると、800 万部以上を売り上げている。世界では20 以上の言語で翻訳され、特に中国では小学校の教科書にも収録され、1600 万部を記録している。
なお『続 窓ぎわのトットちゃん』も発売2カ月で 50 万部を突破、初の映像化となるアニメ映画『窓ぎわのトットちゃん』も好評だ。
◆10月から始まった「インボイス制度」について、フリーランス協会が調査した結果、フリーランスの41.5%が登録し、34.9%が登録せず免税事業者を継続している。報酬については「変わらず」が55.9%、「一方的な通知で契約解除や値下げ」になったのが17.2%だった。
報酬が値下げされた場合、発注業者との取引について継続を見直すというフリーランスは51.3%にのぼる。
◆LINEヤフーが主催する、2023年「LINEジャーナリズム賞」の大賞に、毎日新聞デジタルの連載「『私はなにを』…1年後も続く罪悪感 新型出生前診断(NIPT)は命の選別か、それとも希望か」を選んだ。出生前診断に悩む妊婦と先天的な障害を持って生まれた子の家族を追った。
同賞は「LINE NEWS」に配信された各媒体の記事から社会課題を工夫して伝えたものを表彰しようと19年に創設された。
2023年12月21日
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