◆3期連続の売り上げ減
出版科学研究所の発表によれば、2024年上半期(1〜6月期)の出版市場(紙+電子)は、前年同期比1.5%減の7902億円となった。紙の出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は5205億円(同5.0%減)、3期連続の減少となった。書籍は3179億円(同3.2減)、雑誌は2025億円(同7.8%減)。とりわけ週刊誌の落ち込みは激しく317億円(同11.5%減)。
電子出版物は2697億円で6.1%増となった。電子コミック2419億円(同6.5%増)、電子書籍(文字ものなど)234億円(同2.2%増)、電子雑誌44億円(同4.8%増)。電子コミックは縦スクロール化により堅実な伸びを示している。
◆電子出版物への需要は衰えず
電子出版物の市場規模を概観してみると、昨(2023)年度・1年間の売り上げは6449億円(前年比7.0%増)となっている。その内訳は電子コミックが5647億円(同8.6%増)、電子書籍・文字ものなど(文芸書・実用書など)が593億円(同1.3%減)、電子雑誌が209億円(同7.5%減)。
しかし、コロナ席捲による電子出版への急激な需要が喚起された、2年半前の2ケタ台の伸びは確保できず、2年連続で一ケタ台の増加率となっている。加えて昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、人々の余暇の過ごし方が多様化するなか、コロナ禍以降の特需は完全になくなったとみてよい。
とはいえ電子出版物、なかでも電子コミックの需要は衰えず、2028年度には伸び率24%増の8000億円まで成長するといわれている。
2024年07月29日
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