2024年08月12日

【トピックス】サイバー攻撃を受けたKADOKAWAの復旧と被害状況

本の出荷は8月中旬から
 KADOKAWAグループは、「サイバー攻撃による被害の復旧作業が順調に進み、KADOKAWAオフィシャルサイトを閲覧できるようになりました」と、この9日に報告した。また「ご利用いただいております皆様には多大なご迷惑、ご心配をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪している。
 ただし全て復旧したわけではなく、今後は新刊書籍の書影画像や、映画・アニメの最新情報、書籍の売り上げランキング情報などについて、順次復旧していくという。なお本の出荷については、8月中旬には平常通りに戻るという見通しを明らかにしている。
 これまでKADOKAWAの出版事業は、出版製造・物流システムを停止せざるを得なくなっていた。それは6月上旬、ドワンゴのファイルサーバに仕掛けられたサイバー攻撃により、その被害が全社的な範囲に及ぶのを防ぐため、関連サーバをシャットダウンしたことによる。

25万4241人の個人情報が漏洩
 あわせてKADOKAWAグループに仕掛けられた6月上旬のサイバー攻撃による被害について、このほど漏えいした情報の詳細に関し、社外のセキュリティ企業よる調査結果を発表した。
 攻撃の標的は、ニコニコを中心としたサービス群。「フィッシングなどの攻撃により、従業員のアカウント情報が窃取され、社内ネットワークに侵入されたことで、ランサムウエアの実行と個人情報の漏えいにつながった」とみている。従業員のアカウント情報が窃取された経路や手法は「現時点では不明」としている。
 流失した個人情報は氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、口座情報などが含まれている。ただし顧客のクレジットカード情報は社内で保有していないため、情報漏洩は起こらない仕組みになっているという。
 対象者のうち社外関係は、ドワンゴおよび関連会社と取引きする一部のクリエイターや個人事業主、N中等部、N・S高等学校の在校生、卒業生、保護者、出願者、資料請求者の一部などになる。社内では、ドワンゴの全従業員と一部の関連会社、角川ドワンゴ学園の一部従業員などである。
 社外・社内を含めて、個人情報が漏洩した対象者は25万4241人と発表した。

悪質な情報拡散1000件に法的措置を取る
 KADOKAWAグループは、今回のサイバー攻撃により、攻撃グループが得た情報を基にした内容を、SNSなどを通して第三者に拡散する事例が相次ぎ、これらの悪質な拡散例を1000件近く特定した。証拠保全の上、削除済みの書き込みも含めて刑事告訴・刑事告発などの法的措置に向けて作業を進めているという。
 悪質な例の内訳は、ドワンゴに関するものが896件(Xが160件、5ちゃんねるが522件、まとめサイトが29件、Discordやその他が185件)、角川ドワンゴ学園に関するものが67件(Xが11件、5ちゃんねるが45件、まとめサイトが1件、その他が10件)と報告している。今後の法的措置への取り組みとその行方が注目される。
posted by ロバの耳 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版トピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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